公益社団法人 青少年健康センター

公益社団法人青少年健康センターは、
不登校やひきこもりといった若者の心の問題に、
精神医学や心理学の視点からケアを行っている、
営利を目的としない団体です。 「青少年」や「若者」というと少し堅苦しいかも知れませんが、
10代から40代の方を中心に、対人関係や学校・職場になじめない
苦しみを抱えた方の総合的支援活動を行っています。 また、本人だけでなく、そのご家族や、
広く一般の方のための活動も行っています。※内閣府所管

法人概要

活動を支える 当法人は、精神科医、臨床心理士を中心とした専門家等によって活動を行ってまいり、
2015年に創立30周年を迎えました。2014年度より公益法人化を達成し、
次の5事業が公益事業として認定されております。
  1. 相談・居場所支援事業

    ひきこもり等生きづらさを抱えた若者たちの相談・居場所活動を通した自立支援事業です。
  2. 社会参加準備事業

    ひきこもりの若者が社会参加へ向かうための一連のプログラムを実施します。 座学やグループワークを行い準備を整え、職場体験やジョブトレーニングなどの場を提供します。
  3. 思春期カウンセリング講座

    保護者・ご家族、支援者に思春期・青年期を対象とした実践的カウンセラーの養成と併せ、 親のカウンセリングマインドの涵養を目指します。
  4. 講演会シンポジウム等の開催、普及啓発事業

    保護者・ご家族、その支援者に精神科医の齋藤環氏( 法人代表理事、筑波大学教授)による講座や、 青少年健全育成をテーマにシンポジウム等が開催されます。
  5. 青少年の自殺予防事業

    若者層の自殺者を予防するための電話相談および精神科医による電話・面接相談です。
活動を支える

ごあいさつ

会長・齋藤友紀雄と事務局長・時盛昌幸の写真

会長・斎藤 環からのご挨拶

このたび、理事会の皆さまのご推挙をいただきまして、青少年健康センター会長の重責を務めさせて頂くことになりました。創立36年の伝統ある当センターの運営に会長の立場で関わるには、まことに微力ではございますが、会員の方々のご指導・ご鞭撻をあおぎながら責務を全うしてゆく所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。 1985年に当センターが発足した当時、私はまだ筑波大学医学専門学群の5年生でした。稲村博先生のお誘いで大学院の旧稲村研究室に所属するようになり、精神科医として北の丸クリニックで診療に従事しつつ、1998年からはひきこもり家族会を主催してきました。当時はまだ青葉台ハウスや小日向ハウスなどで宿泊型の支援が行われており、定期的に医療チェックに通ったり、茗荷谷クラブの夏合宿に参加したりするなど、さまざまな形でセンターの活動に関わってきました。最近は家族会をリニューアルしてオープンダイアローグの実践を一部取り込んだ「ひきこもりダイアローグ」として開催を続けています。それにしても、ずっと若輩者の気分でいましたが、気がつくと今年でいよいよ還暦と、時の流れの早さには唖然とするばかりです。 青少年健康センターは、不登校やひきこもりに限らず、さまざまな青少年問題に取り組んできました。私自身は創立者である稲村博先生の影響もあり、ほぼひきこもり支援に限定して活動してきた経緯があります。稲村博先生は日本に自殺学を導入した第一人者であり、ひきこもりの概念を実質的に見出した功労者でもあります。私は先生の門下で多くのひきこもり事例と出会い、博士論文のテーマもひきこもりでした。以来30年間以上、ひきこもりに関わってきましたが、近年ますます困難な状況を迎えつつあるように思います。最大の問題は高齢化で、「8050問題」という言葉に象徴されるように、いまや大多数のひきこもり当事者が、中高年と呼ばれる年齢に達しています。 厚生労働省では平成21年度から「ひきこもり支援推進事業」を創設し、すべての都道府県と政令指定都市に「ひきこもり地域支援センター」を設置、平成30年度からは、生活困窮者自立支援制度との連携を強化し、訪問支援等の取組をふくめた手厚い支援を充実させるとしています。しかし、内閣府調査などですでに100万人以上存在することがはっきりしたひきこもりの支援体制としては、まだ十分とは言えない現状があります。 そんな中で青少年健康センターは、いまだ数少ない青少年問題の支援機関として存在感を発揮してきました。また、かつての宿泊型支援や当事者の居場所としては最初期に発足した茗荷谷クラブのように、時代の先陣を切るような斬新な支援スタイルを世に問うてもきました。当事者発信が注目される昨今、茗荷谷クラブにしても家族会にしても、これまで以上に当事者に配慮した活動スタイルに変わっていくことになるでしょう。現在のコロナ禍において、対面での家族会は開催できないため、Zoomを利用したリモート家族会に切り替えました。もちろん対面のような親密さや相互の交流は得られませんが、そのかわり自宅から当事者が気軽に参加できるといったメリットもあり、思いがけない形で新しいスタイルの家族会が実現しつつあります。Withコロナという時代状況に鑑み、フィンランドで開発された対話実践である「オープンダイアローグ」の導入や、リモート対話実践といった新しい手法を取り入れつつ、当事者や家族のニーズに柔軟に対応できるような運営を進めていきたいと考えております。 今後とも会員ならびに理事の方々、事務局の方々のお力をお借りしながら、センターの発展に寄与していけるよう、また、これまで17年の永きにわたり会長としてセンターの活動を支えてこられた齋藤友紀雄前会長の後継として恥ずるところのないように、微力を尽くす所存です。 末筆ながら、以上をもちまして、着任の挨拶に代えさせて頂きたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

組織(組織図/理事一覧)

組織図

理事一覧

■ 会 長
斎藤 環
筑波大学名誉教授
■ 副会長
井利 由利
公益社団法人青少年健康センター 茗荷谷クラブチーフスタッフ
■ 理 事
藤堂 宗継
医療法人社団雄心会山崎病院
岩佐 壽夫
家庭ケースワーク研究所 所長
笹原 信一朗
筑波大学 准教授
芳賀 雅子
働けない子どものお金を考える会
伊藤 亜矢子
学習院大学 教授
時盛 昌幸
公益社団法人青少年健康センター 事務局長
■ 監 事
菊池 章
医療法人白翔会 浦和神経サナトリウム 院長
佐藤 容子
横浜あかり法律事務所
■ 参 与
中島 聡美
武蔵野大学 教授
■ 名誉会長
齋藤 友紀雄
公益社団法人青少年健康センター 前会長
活動を支える

沿革

青少年健康センターの歩み

1985年
青少年健康センター発起人会 (代表平野龍一氏)
1986年
支援の会設立総会
1987年
カウンセラー養成講座開設(現 思春期カウンセリング講座) 「青葉台ハウス」開設
1988年
「茗荷谷クラブ」開設
1989年
事務所移転 茗荷谷三軒町ビルへ
1990年
第1回シンポジウム「21世紀に向けての青少年の育成」開催 青少年健康センター社団法人設立認可取得
1991年
「相談的家庭教師派遣」開始
1993年
「ビル清掃アルバイトチーム」スタート
1995年
創立10周年記念シンポジウム-21世紀の青少年問題―その展望と課題 「創立10周年記念式典」開催
1996年
斎藤友紀雄氏副会長代行就任
1998年
「実践的ひきこもり対策講座」開講
2002年
「社会参加準備グループ」活動スタート
2004年
臨時理事会開催。会長に斎藤友紀雄氏、 副会長に佐藤悦子氏を招く
2008年
講演会・シンポジウム「青年期の攻撃性-“こもる”と“きれる”-」
2010年
関川俊男常任理事が副会長に選任され、就任
2011年
東京都青少年治安対策本部「東京都若者社会参加応援事業」の 「No2自宅以外の居場所活動(フリースペース)」および 「No3社会参加準備支援事業」の登録団体に茗荷谷クラブが認定 無料の電話相談「クリニック絆」開設
2014年
内閣府より 「公益社団法人青少年健康センター」への 移行の認定を受ける 文京区より 「ひきこもり等自立支援事業」及び 世田谷区より 「若者総合支援センター運営業務」の 委託事業を受託。
2015年
青少年健康センター創立3 0周年記念式典開催
2016年
台東区より「若者育成支援推進事業実施委託」を受託
2017年
ひきこもり家族のライフプラン 講演会と個別相談会開始
2018年
「実践的ひきこもり対策講座」から「ひきこもりダイアローグ講座」に講座名を改め、「ワーク」プログラムを取り入れる。
2019年
日本郵便年賀寄附金の助成を受け「オープンダイアローグ・ワールドカンファレンス」を東京・京都にて開催(オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパンと共催) 葛飾区より「若者に関する相談事業実施委託」を受託
2020年
青少年健康センター 創設35周年
2021年
齋藤友紀雄会長および関川俊男副会長の両名が役員を退任し、名誉会長および名誉顧問に就任。 新たな会長・副会長として斎藤環氏が会長に、井利由利氏が副会長に就任
2022年
千代田区より「千代田区ひきこもり支援業務」を受託
集合写真1 集合写真2 集合写真3