公益社団法人 青少年健康センター

実践的「ひきこもり対策」講座のお知らせ

実践的「ひきこもり対策」講座~ひきこもる心と向き合うには~

 当センターでは青少年の不登校・無気力・ひきこもり等をめぐる問題を多角的に取り上げ、本人とその家族への包括的な援助活動を展開してきました。その一環としての「実践的ひきこもり対策講座」には平成10年5月開講以来、毎月熱心に、全国から多数のご参加を頂いています。ご両親・親子でのご参加が、「変化」に向けての効果が大きいようです。早めのお申込みをお待ちしています。

・講師のことば-斎藤 環
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 昨年来、いじめの報道が活発になっています。最近も朝日新聞で「いじめ後遺症」の記事があり、私も取材を受けました。小中学校当時のいじめが、30歳、40歳になっても忘れられない人たちがいます。どんなに時間が経ってもいじめの記憶が生々しく残っていて、いじめた相手を絶対に許せないと訴える人もいます。いじめられてそのままひきこもってしまった場合など、そうした記憶が生々しく温存されてしまいやすく、いまだに同世代の集団には怖くて近づけないという人もいます。
 こうした辛さは当事者以外にはなかなかわかりにくいようです。それだけに、いじめの被害者に寄り添う場合は、いっさいの批判抜きで、十分な理解と共感からはじめる必要があります。くれぐれも「過ぎたことにいつまでもこだわるのは良くない」「そんな昔のことはもう忘れなさい」といった言葉はつつしんでください。ありきたりで無理解な言葉は、当事者の人間不信をいっそう悪化させてしまいます。いずれは乗り越えられるという希望を秘めつつも、まずは彼らの言葉に虚心に耳を傾けていただきたいと思います。